ニューヨーク紀行・後編:目と舌で満喫!

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エンターテイメントが身近

さて、ニューヨーク紀行の前編では、街中が活気付いていたハロウィンの様子をご紹介したが、日本でもドイツでもなかなかできない、本場ならではの体験をその他にもすることができた。

例えば、有名なジャズクラブヴィレッジ・ヴァンガードで聞いたライブ。入場料の他にワンドリンク制で、狭い店内にお客さんが肩が触れ合うくらいの距離でぎゅうぎゅうに座って音楽を楽しむ。

20時からと22時からのセッションがあったが、私たちは数日前になってから予約をしたので20時は売り切れてしまっていて、22時から参加した。まだ時差ボケがあった私は眠い目を擦りながらだったが、ジャズに詳しくなくても「すごい」と思わせてくれるチャーミングな演奏を間近で聴くことができた。

薄暗い店内に所狭しと並べられたテーブルに座る観客
お客さんの大半は私たちのような外国人観光客だったと思う

次に、ニューヨークといえばブロードウェイなしに語ることはできない。私たちは去年、有名どころのミュージカル『シカゴ』、大人も子どもも楽しめる『アラジン』、魔法を再現する特殊技術だけでも観る価値のある『ハリーポッターと呪いの子』を鑑賞していた。

今回は、アメリカ人の友人から強く勧められて、2025年からブロードウェイで上演が始まったばかりの『オペレーション・ミンスミート』というロンドン発祥のコメディミュージカルに行ってきた。

チケットを求めて朝から劇場の前に並んでいる人達
5人の俳優が七変化のように複数の役を演じ分ける、規模的には小さいが非常によくできたミュージカル

ひたすら物価が高いというイメージのあるニューヨークだが、エンターテイメントに関しては、競争が激しすぎるのか、ドイツと比べても手軽な印象である。ミュージカルは一つの劇場が一つの作品だけをほぼ毎日上演していて、比較的チケットも取りやすい。

私たちはどの作品も当日の朝にボックスオフィスまで行き、ラッシュチケットと呼ばれる当日格安チケットを35~49ドルで入手(『アラジン』だけは元々ラッシュチケットの設定がなかったが、多少割引された値段で買うことができた)。

『シカゴ』の劇場の前で手にかかげて持っている2枚のラッシュチケット
子どもの頃から映画やドラマで見ていたニューヨークにいて、ブロードウェイでミュージカルを観られる…ということが夢のようで、チケットを手にしたベルリーナー・Dは涙ぐんでいた

今回のニューヨーク滞在で、私にとってのハイライトはアメリカン・バレエ・シアター(ABT)!秋シーズンのチケット販売開始と同時に、事前にチケットを予約しておいた。会場は、巨大な総合芸術施設リンカーン・センター内にある、デイヴィッド・H・コーク劇場。ダンス公演のために設計されたとあって、どの席からも素晴らしく見やすい。

休憩時間中に3階席から見た劇場の内部
照明も埋め込まれた宝石のようで、派手すぎないがモダンで非常におしゃれ

私たちが予約したプログラムは3部構成で、今シーズンが初演というABTの新作と、ラトマンスキー振付の演目と、ニューヨークといえば…ということで絶対に観たかったバランシン振付の『テーマとヴァリエーション』。どれも空間を広々と使い、踊りも垢ぬけた印象を受ける、素晴らしい舞台だった。

舞台上で拍手を受けてレヴェランスをする、クラシックな衣裳を着た男女のバレエダンサー
華やかな『テーマとヴァリエーション』のカーテンコール

食文化で楽しむ多様性

秋に訪れたニューヨークでは、ドイツや日本では見かけない食べものや飲みものも目にした。私が特に好きだったのは、パンプキンスパイス

アメリカでは、10月のハロウィン、11月の感謝祭、12月のクリスマスにかけてよく食べられるパンプキンパイというケーキに使うスパイスだという。ナツメグシナモンクローブ生姜をブレンドしたもので、体が温まりそうなスパイシーな味と香り。インドのマサラチャイが好きな人は、まず好きだと思う。

元々はパンプキンパイに使うものとはいえ、カフェやスーパーマーケットに行くと、パンプキンスパイスが入った商品があれこれ並べられている。パンプキンスパイスラテ(日本でもスターバックスが販売している年があるようだ)、クッキー、ドーナッツ、コーヒー豆、コーヒークリーマーなど…。

カボチャをイメージしたオレンジ色のパッケージのコーヒークリーマーとチョコレート
私たちもこの他にクッキーやコーヒー豆など色々買って帰った

その他、ドイツで同じものには出会えないだろう「ニューヨーク名物」も満喫。まずはベーグル。一番有名なのはLox Bagelという、クリームチーズとサーモンを挟んだベーグルサンドだろう。

クリームチーズ、サーモン、きゅうり、レッドオニオン、トマトがこれでもかと挟まれているベーグルの断面
一般的なLox Bagleよりも野菜が盛り沢山のバージョン

一体どうやってこんなに中身を挟んでから半分に切れるのだろうと思うほど具沢山で、2人で分けてもいいくらいのボリュームがある。

ガラスケースの中で山盛りになっている様々な色のクリームチーズ
ベーグル店で注文するときに圧倒されるのは、アイスクリームのように山盛りになった色んな種類のクリームチーズ

それから、ニューヨーク風ピザも欠かせない。薄い生地の大きなピザで、一切れから注文できるが、お皿からはみ出る大きさ。縁を持って縦に半分に折りたたんで、片手で食べながら歩いている人をよく見かけた。

紙皿からはみ出す大きさの、ペパロニがたくさんトッピングされたピザ
物価の高いニューヨークでコスパの良い食べものの代表格。高くても1スライス6ドルくらい

私たちが気に入って2回行った人気店のL’industrie Pizzeriaでは、先にレジで注文と支払いをし、ピザが用意できるとキッチンから名前を呼ばれるというシステム。スターバックスはじめ、アメリカでは一般的なシステムのようだが、ドイツでは呼ばれるとしてもレシートの番号なので少し戸惑ってしまう。

私たちはAkiという名前を伝えて4切れ注文したが、2回目の訪問では何か手違いがあったのか、誰か他の人がしれっと持って行ってしまったのか、30分待っても受け取れなかった。「ずっと待っているのですが…」とキッチンの人に声を掛けると、急いで注文を取り直してピザを用意してくれた。

店のロゴが入った紙の上に並んでいる4切れのピザ
ようやく受け取れたピザを、店内の立ち食い用テーブルで熱いうちに頬張る

待たせたお詫びにとジェラートもサービスしてくれた。ピーナッツバター味と、グレープ味のミックス。なんと上からチリオイルがかかっていて驚いたが、これが意外にマッチして美味!

二色になったソフトクリーム状のアイスクリームと、背景に見えている道路と長蛇の列
車の後ろに見えているのは、ピザ屋の前の長蛇の列

それから、地元の人が食べる定番というよりも、もはや観光客向けだと思うが、パストラミ・サンドウィッチ。マスタードを塗ったパンに、牛肉の燻製を薄くスライスしたものを大量に挟んだシンプルな名物。

パストラミ・オン・ライ - Wikipedia

私たちも一番の有名店であるKatz’s Delicatessenに行ってみた。

道路の角にある歴史の古そうなデリ店の前に並んでいる人達
やはりお店の前には長蛇の列があったが、回転が早いので15分くらいで中に入れた

定番のパストラミ・サンドウィッチにチーズを追加して、なんと約30ドル(2025年12月時点のレートで約4,680円)!量が多いと聞いていたので私たちは1つをシェアしたが、ほろほろと口の中でほどけていくちょうどよい塩加減のジューシーな肉は、意外にパクパクと食べられてしまい、1つずつでも食べられたねと後で話した。その値段に見合う価値があるかというと、「肉好きの人であれば一度経験として食べてみる価値あり!」という回答になるだろうか。

薄切りのパストラミが何重にもなっているサンドウィッチと、縦に半分に切られている2種類のピクルス
レジでチケットを見せて、最後に支払うシステム。ピクルスは追加料金なしでついてくる

こうしてニューヨーク名物として定着したものが、ベーグルやパストラミのようなユダヤ系移民、またピザのようなイタリア系移民が発展させたものであるということも、この大都市の個性をよく映し出している気がする。

この他にも、ニューヨークチーズケーキバナナプディングクロナッツシュプリームクロワッサンスマッシュバーガーなどを食べ歩きしました。ニューヨークの多様性は食文化としても楽しめますね

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