芸術に近い街・ベルリン
ベルリンに引っ越してから3ヶ月弱で、バレエ、オペラ、クラシックコンサートに、計9回も通った私。なぜそんなことが可能なのか?
お金が有り余っているから…ではありません、残念ながら。笑
節約生活を送る私のような一般人でも、芸術にすぐ手が届く。それがドイツであり、特に首都ベルリンの魅力。
そもそもドイツは日本と比べてチケットの値段が低く設定されている。ベルリン国立バレエの公演も、一番高いクラスの席でも100ユーロを超えることは滅多になく、一番安い席は20ユーロほど。それでもバレエが好きで何度も通いたい、それもなるべく良い席で観たいと思うからこそ、出費がかさんで楽しめなくなってしまうことは避けたい。
実はどの劇場でも色々な割引システムが用意されているので、うまく利用すれば格安の料金で一流の公演を観られる。ベルリンで安く舞台芸術、特にバレエを観る方法を、徹底解説!
ドイツ最大のベルリン国立バレエとは
まずベルリン国立バレエの基本情報をおさらいしてみよう。
- ドイツ最大規模のバレエ団
- 2004年に国立歌劇場、ドイツ・オペラ、コーミッシェ・オーパーという3つの劇場のバレエ団が統合されて誕生
- 現在も演目ごとに3つの歌劇場で公演
- クラシックからコンテンポラリーまで、幅広いレパートリー
- 30ヶ国から集まった92人のダンサーが所属 ※ 2018/19シーズン現在
- 日本人も多数所属、2007〜2013年にはShokoこと中村祥子さんがプリンシパルを務める
特に面白いのは、演目ごとに劇場を使い分けている点だろう。ウンターデンリンデンという中心地に位置し、建物も一番風格があるのが国立歌劇場、それに旧西ベルリンで対抗する存在だったのが近代的なドイツ・オペラ、見た目はモダンだがシャンデリアとクラシックな内装が素敵なコーミッシェ・オーパー。常連の観客からしても、劇場が変わるのはちょっとした気分転換になる。
A. 学生(30歳未満)の場合
ドイツはとにかく学生に優しい。劇場でも美術館でも、ほぼ例外なく学生割引が設定されている。もしあなたが学生かつ30歳未満であれば、劇場窓口で学生証を提示するか電話予約することで(オンライン予約では不可)、以下の割引を受けられる。
半額でチケット予約できるのもすごいが、更にすごいのは当日券。余っている中で一番良い席から15ユーロで販売してくれる。つまり、運が良ければ、たった15ユーロで一番高いクラスに座って公演を観られる。私は何度か、通常であれば80ユーロ以上するほぼ最前列の席に当たるという幸運に恵まれた。
公式HPには「30分くらい前から」と書かれていますが、経験上、それよりちょっと早めに窓口に行っても売ってもらえました
劇場内部に入るときにも学生証の提示を求められることが多いので、事前にチケットを購入した場合でも、当日忘れないように気をつけよう。
B. 30歳未満(学生ではない)の場合
学生ではないあなたも、30歳未満であれば、似たような割引を受けられる方法があるので、ご安心を。それが『ClassicCard』。
このカードは、上記3つの歌劇場の窓口ほか、コンチェルトハウスとDussmannという大型書店でも購入できる。年齢確認できる身分証明証を持っていこう。もしくはオンラインでも注文できるので、以下公式HPを参照(右上のメニューバーから英語に切り替え可)。
C. 30歳以上の場合
30歳以上のあなたには、2つの選択肢がある。1つ目はベルリン国立バレエの『Tanzticket』というカード。
ただし1年間有効で35ユーロ(30歳未満の学生の場合20ユーロ)なので、何度か観に行かないとおそらく元が取れない。それでもオンラインで利用できるのは魅力的である。注文は以下から可能。
もしあなたが主に当日券狙いで、ベルリン国立バレエ以外のダンスにも興味があるなら、『Tanzcard』という選択肢もある。
注文は以下のHPか、ベルリンのダンススタジオ数ヶ所でも可能。
まとめ&おまけのお得情報
さて、絶対に観たい公演がある場合には、もちろん事前にオンラインなどで予約しておくのが賢明だが、30歳未満の人には、ぜひ当日券を買えるかトライしてみてほしい。10〜15ユーロで特等席に座れるかもしれないなんて、まるで夢のような話!バレエ公演だけでなく、クラシックコンサートでも、当日券が余っていれば一律10ユーロ程度で購入できることが多い(ただしベルリン・フィルハーモニーは別)。
当日券を買えそうかどうかは、事前にHPでチケットの捌け具合をチェックしてある程度予測できるが、「今日はチケット余っていそうだな」と思って劇場窓口に行っても売り切れていたこともあるので、こればかりは運。特に週末は一気に捌けてしまうことがあるようだ。
おまけの情報としては、チケットを事前購入する場合にも、オンラインだと手数料2ユーロが掛かるので(Tanzticketの所有者除く)、ベルリンに長期でいる人は劇場窓口で直接買った方が少しお得である。
最後に、これはバレエに限らず、オペラやコンサートでも同じだが、公演45分前に劇場内のスペースで作品紹介が無料で行われることが多いので、ドイツ語に不自由がなければ参加してみると、作品への理解が深まっておすすめ。
この記事に記載した情報は、執筆時のものなので、実際に足を運ぶ前にはベルリン国立バレエの公式HP(英語に切り替え可)で最新の情報もチェックされることをおすすめしたい。公演スケジュールなどもこちらからどうぞ。
それでは、みなさんもベルリンで楽しいバレエ鑑賞を!
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