ドイツの不思議な乳製品

スポンサーリンク
スポンサーリンク

ドイツのスーパー

食文化も国際化が進み、ドイツのスーパーでも、サンドイッチの横には寿司が並び、場合によってはおにぎりも見掛けるようになった。逆に日本では(私はいつも11月くらいに一時帰国するのだが)、色んなパン屋さんでシュトレンが売られるようになっていて、しかも美味しいので驚いてしまう。

その一方で、ドイツのスーパーでも日本のスーパーでも、当然ながら「これはこの国でしか買えないな」と思うものも色々ある。例えば、日本と比べてドイツの方が乳製品の種類は圧倒的に多い。

スライド式のガラス扉で覆われた、6段ある冷蔵の陳列棚に商品がずらっと並んでいる
私がよく行くスーパーにて。左にはバターなど、奥にはチーズ(Käse)がずらっと並んでいる

この記事では、ドイツではよく食べる機会があるが、日本ではまだ知られていない乳製品を二つ取り上げてご紹介したい。もしかすると、いつか日本でも流行る日がくるかも…。

ヨーグルトとチーズの中間?

まずは「クヴァーク(Quark)」。ドイツの乳製品といえば、これを語らないわけにはいかない。

Rewe(スーパー名)のSpeisequarkのパッケージを持っている手
「シュパイゼクヴァーク(Speisequark)」とも呼ばれる。Speiseは食用、料理といった意味

クヴァークは私にとって、ドイツに来てから初めて食べて、すっかり好きになったものの一つ。英語圏でもドイツ語のままquarkと呼ばれているようで、ごくドイツらしい食品だと言っていいと思う。

日本語版Wikipediaに詳細な説明があるので、興味のある方はこちらをどうぞ(ドイツ語発音は「クワルク」より「クヴァーク」が近い)。

クワルク - Wikipedia

フレッシュチーズの一種とされるクヴァークだが、「ヨーグルトの酸味を和らげて、もっとしっかりした固さにしたもの」を想像してもらうと近いと思う。口に入れると少しモソモソするので、慣れないと不思議な食感だ。

器に入った、ヨーグルトより固そうな白い乳製品
パッケージから器に移したところ。スプーンでぐるぐる混ぜるとクリーミーになる

食べ方もヨーグルトとほぼ同じと思ってもらって問題ない。そのままジャムやフルーツをのせて食べてもいいし、パンケーキやチーズケーキを焼くときに混ぜてもふんわりして美味しい。

カフェのテーブルに並んだ紅茶とチーズケーキ
ドイツの伝統的なチーズケーキは、クリームチーズよりもクヴァークを使うので、軽い口当たりでさっぱりした味わい

甘いものだけではなく、食事にも大活躍する。よくドイツで見掛けるのは、じゃがいもに合わせるディップやソースとして、ハーブや塩コショウを混ぜて出されるクヴァーク。

実はクヴァークにも、ほぼ無脂肪のもの、脂肪分20%のもの、脂肪分40%のものなど、色々な種類があり、用途によって使い分けられている。

チェリー味やバニラ味のクヴァーク
ヨーグルトと並んで、デザート感覚のフレーバー付きクヴァークも売られている

クヴァークの特長は、食感的にヨーグルトより食べ応えがある一方で、タンパク質が豊富だということ。特に無脂肪のものはダイエットに良いと食べている人も多い。

ちなみに、インターネットで検索すると、「カッテージチーズ」の一種と紹介されていることもあるが、ドイツではクヴァークとカッテージチーズは別物と認識されている。クヴァークはカッテージチーズよりクリーミーで、もっとヨーグルト寄りだ。

ドイツやドイツ語圏の国でしか食べられていないのかと思っていたが、少し調べたところ、東欧やロシア、バルト三国でも一般的な食べもののようである。

そういえば、私の同居人Dのお母さんはロシア出身ですが、シルニキというクヴァーク入りパンケーキをよく作ってくれます

謎の飲みもの?

クヴァークと並んで、ドイツで暮らし始めた頃に「これは何だろう」と疑問に思っていた乳製品がもう一つある。

冷蔵の陳列棚にずらっと並んだ乳製品
ヨーグルトなどが並ぶ、スーパーの乳製品(Milchprodukte)のコーナー

それは「ブターミルヒ(Buttermilch)」。

これはクヴァークと違って世界の他の国でも一般的らしく、英語ではそのまま「バターミルク(buttermilk)」と呼ばれているので、ここでもそう表記することにする。

「バターミルク」…バターを入れた濃厚なミルクなのか、と思いきや、実はその逆

伝統的には、バターの生産の過程で、クリームを分離するときに出る低脂肪の液体のこと。つまり、バターを作った時に残るミルク、である。詳しい説明はやはりWikipediaをどうぞ。

バターミルク - Wikipedia

ほぼ脂肪分がない発酵乳飲料だが、栄養素は豊富で、タンパク質やカルシウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛などを多く含むという。

私はこういった知識がないままに、興味本位でバターミルク100%のプレーン味を買ってみたことがある。スーパーではよく500ml入りのプラスチック容器で売られている。そのまま飲んでみると…

…すっぱい!!

ヨーグルトから分離した透明な液体の味、と言えば想像していただけるだろうか。個人的にはとてもそのまま飲める感じではなかった。子どもの頃から飲み慣れている、私の同居人ベルリーナー・Dは好きなので、単に慣れの問題なのかもしれないが…。

また、クヴァークと同じで、バターミルクもパンケーキやケーキの生地に使うと、しっとりして軽やかな味になるそうだ。ドイツではないが、最近旅したアメリカでも、よくバターミルクパンケーキやバターミルクビスケットを見掛けた。

厚みのある3段重ねのパンケーキに、たっぷりのブルーベリーのソースと、ホイップがのっている
ワシントンで食べて美味しかった、ブルーベリー・バターミルクパンケーキ

ドイツでバターミルクを試してみたい、と思われる方もご安心を。スーパーではそのまま飲む用として、様々なフレーバーのバターミルクが売られている。

スーパーの陳列棚に並んだ複数のメーカーのバターミルク
ドイツの子ども達にも大人気のドリンク

フレーバー付きのバターミルクは、クセもなく爽やかで、確かに美味しい。私はこの記事を書くのに際して、久しぶりに「さくらんぼバナナ(Kirsche Banane)」味を買ってみた。

さくらんぼとバナナが描かれたバターミルクのパッケージと、グラスに入ったピンク色の液体
ヨーグルトドリンクほどではないが少しとろみがある。かわいいピンク色

このフレーバーも、私はドイツに来てから出会ったものの一つだ。略してキーバ(KiBa)とも呼ばれ、よくレストランのドリンクとしても見掛ける。さくらんぼジュースとバナナのネクターを混ぜたもので、さくらんぼの酸味とバナナのまろやかな甘さが混ざり合い、絶妙な美味しさ。

クヴァークとバターミルク以外にも、日本では見たことがない乳製品が色々あります。ドイツを訪れた際にはぜひ試してみてくださいね

ドイツ考察
スポンサーリンク

もしこの記事を楽しんでもらえたら、ドイツ情報ブログランキングに投票(クリック)お願いします!⇩
にほんブログ村 海外生活ブログ ドイツ情報へ

メールアドレスを登録いただくと、新しい記事が投稿された時にお知らせメールが届きます(無料の購読サービス)⇩

記事をシェアする

コメント

タイトルとURLをコピーしました