湖の階段がある国立公園
前回の記事ではクロアチアの首都・ザグレブの思い出を紹介したが、その後に向かったのは、都市部から一転して大自然のあるプリトヴィツェ湖群国立公園。
透明度の高いエメラルドグリーンの湖で有名な国立公園で、ユネスコの世界遺産にも登録されている。広大な敷地に大小様々な湖が階段状になって隣接し、無数の滝で繋がっている風景は、世界中でもここでしか見られないだろう。
ザグレブから長距離バスで2時間くらいの距離で、日帰りで訪れる観光客も多い、クロアチア屈指の観光地である。国立公園内は遊歩道が整備されているので、長時間ハイキングするといっても、スニーカーと軽装で十分。
上流の湖群と下流の湖群があるが、私たちは両方を回る長いルートをハイキングしようと決めており、入場券も事前にオンライン予約して、朝8時過ぎにはエントランスに着いた。ルート案内によれば4~6時間掛かるはずだったのだが、私たちはなんと3時間くらいで回り終わってしまった。
後で聞いた話によれば、夏のハイシーズンには大混雑となり、遊歩道も人が溢れて思うように歩けなくなるらしく、そのためにハイキングルートも余裕を持った時間設定になっていたのかもしれない。私たちが行った5月初めは、イースター休暇後の落ち着いた時期だったので、それほど混雑していなかった。
百聞は一見に如かずということで、自然の美しさは写真を見ていただくとして、いつかこの国立公園へ自力で行くことを考えている方のために私が書いておきたいのは、二つあるエントランスの両方にバスが停まることである。
インターネットでプリトヴィツェ湖群国立公園行きの長距離バスを探すと、おそらく最初に見つかるのは私たちも利用したFlixbusなのだが、最寄りの停留所としては南側のエントランス2のPlitvička Jezeraだけが出てくる(2023年7月時点)。北側にあるエントランス1からは3km以上距離が離れている。
問題は、エントランス2付近にあるホテルは国立公園の内側にあり、どれも比較的高額であることと、日帰りで訪れる場合であっても、スタートしたエントランスと違うエントランスから帰りのバスに乗りたいと思ったときに困ることだ。
結論を書くと、エントランス1にもちゃんとバスが停車するのでご心配なく!私たちも旅の計画中にオンラインのレビューなどを色々と読んで、エントランス1から国立公園に入るつもりで計画していたが、心配だったのでザグレブでバスに乗り込むときにも運転手さんに確認したところ、「もちろん停まるから大丈夫」と当たり前のように返事をされた。
ドイツが拠点の大手・Flixbusで予約していましたが、実際にはザグレブからプリトヴィツェに向かう乗客は別グループにされて、提携会社の小さなミニバスに乗せられたのでした
エントランス1付近の村には手軽な値段の宿がある。私たちが国立公園へ行く前に前泊したのも、とても可愛らしく清潔なペンション。
ちなみに、少なくともエントランス1には無料で荷物を置いておける倉庫スペースがあり、インフォメーションセンターで鍵を受け取ることができる。ツアーではなく自力でプリトヴィツェ湖群国立公園に行かれる方は、ぜひエントランス1付近も活用していただきたいと思う。
世界一の○○の町・ザダル
クロアチア内陸部の国立公園を堪能した後は、バスで約2時間かけて沿岸部へ移動し、小さな港町・ザダルに到着。これからはアドリア海に沿って旅を続けていく。
旧市街は1~2時間で回れてしまうほど小さいのだが、中心広場にはローマ帝国時代の遺跡が残り、千年以上前に建てられた教会の内部にも入ることができる。
ごく小規模とわかっていながら、私たちがザダルに一泊することにしていた理由は、『世界一美しい夕日を見られる町』と謳われているから。小さな半島のようにアドリア海に張り出した旧市街の先端からは、何にも邪魔されない水平線を一望でき、これが西向きなのである。
映画のヒッチコック監督も絶賛したという夕日を私たちも見たい!と期待してザダルに向かったものの、
…なんとこの日に限って雨!
残念ながらお天気に恵まれなかった。こればかりは仕方がない。それでも海沿いをゆっくり散歩していると、モダンなインスタレーションに出会った。
この『太陽への挨拶』の近くには『海のオルガン』という、海沿いの階段にあけられた穴が波風を受けると内部のパイプが共鳴し、自然が音楽を奏でるという素敵なインスタレーションもある。
翌日も雨模様だったので、私とDは街中をふらふら歩いてマーケットを冷やかしたり、カフェに入ってコーヒーとケーキをゆっくり楽しんだりし、次のバスの時間までまったり過ごした。これはこれで贅沢な旅行中の時間の使い方だった。
食べもの繋がりでいえば、クロアチアではスロベニアと同じくトリュフが名物。私たちも時々レストランでトリュフを使った料理を注文してみたが、B級グルメ(?)ながら意外なほど美味しかったのが、ザダルのハンバーガーレストランで食べた「トリュフクリームとパルメザンチーズをトッピングしたフライドポテト」だったので、ご参考までに写真を紹介しておきたい。
もちろん新鮮な魚介類を使った料理も豊富である。小魚やエビ、小さなイカを揚げて、塩とレモンで味付けしたシンプルなプレートでも、これに白ワインを合わせてゆっくり食べると至福の一時。
いよいよ旅も後半戦。この後は日本人にも人気の旅先であるスプリト、ドゥブロヴニクと続きます
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