ドイツ妊娠生活記②:出生前診断と性別

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出生前診断とNIPT

前回の記事では、ドイツでの妊娠生活は日本と比べて自由なイメージだという話を記した。妊娠・出産に関して、日本ではスタンダードではないようだがドイツでは普通、ということが具体的に二つある。それは、出生前診断無痛分娩

ドイツでの出生前診断(Pränataldiagnostik)は、何らかのリスクがあり検査すべきと医師が判断すれば、2022年からは自己負担なしで公的健康保険でもカバーされるようになった。私は35歳以上というリスクグループに入っていたので、掛かりつけの産婦人科医から、「もし受けたいという希望があれば紹介状を出しますよ」と言ってもらった。

最初に受けるべきと言われたのは、Ersttrimesterscreening(妊娠初期スクリーニング)という超音波検査。普通の産婦人科では行っていないことが多いようで、専門のクリニックに行くことになる。自己負担で受ける場合には、120~250ユーロ必要になるようだ。

この検査では、身体的発育が正常か評価されて、胎児の先天的異常が発見されることがある。例えば、染色体異常の中で最も知られているだろう21トリソミー(ダウン症候群)では、胎児の鼻の骨が形成されていなかったり、首の後ろのむくみが厚かったりするという。

検査を受けられるのは期間が決まっており、産婦人科医から勧められて予約したベルリン北部のクリニックでは、妊娠12〜13週目となっていた。

私は産婦人科健診などはいつも一人で受けていたが、この検査だけは夫のベルリーナー・Dを連れて行った。もし先天的異常の可能性があると診断された場合に、更にどういった検査を受けるのか、ひいては妊娠を継続するかどうか、重大な決断をしないといけないかもしれず、二人で医師の話を聞いた方がよいと思ったからだ。同じように考えるカップルが多いようで、待合室で順番を待っていると、ほとんどの女性がパートナーを連れてきていた。

初診だったので、他のクリニックでもよくあるような問診票に記入して、その後には出生前診断に関する長い説明書、診断結果が100%正確ではないことも理解しているとサインする同意書など、10ページ以上の書類に目を通す必要があり大変だった(来院する前にもオンラインで色々調べていて、関連するドイツ語の単語に馴染みがあったのが幸い)。

順番が来て診察室に案内してもらうと、若い女性の医師が明るく出迎えてくれた。検査では何を見るのか、染色体異常の可能性を数値で算出する場合の問題点は何かなど、もう一度簡単に説明してくれた。私たちは特に追加の質問がなかったので、すぐに診断がスタート。

診察台に横になっておなかを出すと、温かく感じるジェルを塗られて、超音波検査が始まる。すると、びっくりするくらい鮮明に子宮の中の様子がスクリーンに大きく映された。

私もDも思わず「すごい!」と歓声を上げてしまいました

まだ妊娠12週目で外からはまったくわからないが、おなかの中の胎児は胴体が分かれて、もうずいぶん人間らしくなっている。いくつかの層に分けて身体の細部をチェックしていき、これが頭、これが鼻、これが手、これが足…と、画像を保存しながら一つ一つ説明してくれた。背骨がくっきりと映され、右脳と左脳が分かれていることも見えた。

羊水の中で絶えず動いているので、チェックしたい部分を映すのに、エコーを当てる角度を何度も変えたり、胎児の姿勢が変わるまで少し待ったりもした。背中を丸めて両手を顔の前に持ってきている赤ちゃんらしいところが斜め正面から写されると、医師は笑顔で画像を保存し、スクリーン上で手早く編集してくれた。平面的だったエコー画像が3Dのように立体的になり、色も白黒から肌色に変化。すごい技術である。

肌色の背景から浮かび上がっているような、同じく肌色の胎児

20分くらいかけてゆっくりと診てもらった間に撮ってくれた数十枚の写真は、オンラインにアップロードされ、診断が終わった後に私の携帯電話にSMSで送られてきたリンクをクリックすると、一定の期間ダウンロードできるシステムになっていた。記念になる素晴らしいサービスだ。

検査の後、また3人で医師のデスクに戻り、検査結果をまとめた書類を、一部は私たち、もう一部は掛かりつけの産婦人科医用に作成してもらった。診断の結果、エコーで確認できる限りすべて正常で、先天的な異常がある可能性はごくごく低いということがわかった。もちろん誰であってもゼロということはありえないが、1000分の1、600分の1、といった範囲である。

医師からは、更にNIPTという血液検査も受けたいか、と最後に聞かれた。超音波検査では形態学的な異常を、NIPTでは染色体異常を高い精度で検出するため、両者を組み合わせることで、胎児の状態をより総合的に評価することが可能になるそうだ。すぐに結論を出す必要はないが、もし希望する場合には掛かりつけの産婦人科にまず相談するように、とのことだった。

私たちはその後に二人で改めて相談した結果、念のためNIPTも受けることにした。翌日、私一人で超音波検査の結果を持って掛かりつけの産婦人科に相談に行くと、なんとその場ですぐに採血して外部の検査機関に送ってくれることになった。35歳以上ということでこちらも自己負担なしだった。

NIPTを受けるとき、「自己負担で16ユーロくらい掛かりますが、合わせて性別の特定もできますよ」と言ってもらったのですが、その時は性別は重要ではないと思ったので、不要ですと答えたのでした。後になって、ついでに検査してもらえればよかった…と後悔しましたが時すでに遅し

血液検査の結果は一週間後くらいに産婦人科に問い合わせると教えてもらうことができた。幸い私たちの子どもには先天的な異常が確認されなかったが、もちろん出産するまでは何があるかわからない。そして、もし異常が見つかっていたらどうしていたのだろう…と倫理的な問いを考えさせられる機会となった。

手紙で性別判明!

妊娠中期になって、定期健診で掛かりつけの産婦人科に行くと、21~23週の間にFeindiagnostik(精密検査)を受けるようにと、妊娠初期スクリーニングを受けたクリニックへの紹介状を出してくれた。

何か異常があったわけではないが、妊娠初期スクリーニングと妊娠中期の精密検査は、セットとして受けることになっているようだ。臓器や脳など、体の各部位が順調に成長しているか、何か異常がないかを診ることが目的だという。

21週目に予約を取り、今回は私一人でクリニックへ向かった。前回と同じようにまずはデスクに案内され、体調などに異常がないことを話した後、「もう健診で性別はわかりましたか」と聞かれた。まだわかっていないが知りたいと思っていることを伝えると、

今日の超音波検査でわかると思いますが、私の口からすぐにお伝えしていいですか?それとも、家に帰って旦那さんと一緒に知る方が良いでしょうか

とのことだったので、できれば夫と一緒に知ることができたら嬉しいです、と答えたところ、「じゃあ、封筒の中に性別がわかる写真を入れて封をしますね!」と、白い封筒を用意してくれた。

それから診察台の上に上がり、超音波検査が始まると、しばらく目をつぶっているように言われ、その間に性別がわかる部分の写真を撮ってくれた。先生がそれを封筒に入れてから、目を開けていいですよと言われた。その後に頭や腕など、各部位をアップで画面に映しながら、大きさや形状に何も異常がないことを一つ一つ説明してくれた。

結論としては、すべて順調に育っており、子どもの大きさも私の妊娠週にぴったりということで、一安心。自分ではまだ胎動を感じられないと思っていたのだが、子宮が大きくなるにつれて母親の小腸や大腸は上に押し上げられているので、普段であれば自分の腸だと思う場所の動きは実はお子さんですよ…と説明されて、「そう言われてみたら確かに何か動いている感じがする!」と目から鱗。

引き続き妊娠生活を楽しんでくださいね、お元気で、と笑顔で医師に送り出してもらい、ドキドキしながら封筒を持って家に帰った。

Babyと私の名字、両性の性別マークが書かれた白い封筒
しっかりと閉じられた封筒

そして夫のベルリーナー・Dと一緒に、開封!

中から出てきた超音波検査の写真には、「Mädchen(女の子)」と書かれていた。私たち素人の目ではよく判断できなかったが、外性器が写っているようで、矢印で記されていた。

私も夫のベルリーナー・Dも、元気でいてくれれば性別はどちらでも、と思っていたが、女の子であることがわかると、一気におなかの中の存在が具体的になった気がした。

それまでは「Kind(=子ども)」や「Baby(=赤ちゃん)」と呼んでいて、ドイツ語でいうと「es(中性の代名詞)」だったのが、「sie(女性の代名詞)」を使うようになり、前もって考えてあった女の子の名前で呼び掛けることもできるようになった。

超音波検査で撮ってもらった数十枚の写真や短いビデオは、前回と同じようにオンラインにアップロードされ、診断が終わった後にSMSで送られてきたリンクからダウンロードできた。

もう顔立ちまでわかって、現代の技術にはびっくりするばかりです

ドイツ考察
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